素敵男への道
物欲が止まらない。
先月から今月にかけて、スーツ１着、ジーンズ２本にジャケット１着、ベルトや靴やＴシャツを買った。
それに加えて数回に及ぶ関東旅行や、相次ぐ歓送迎会。
その他諸々の事情により出費がかさんだ結果、今月のカード請求額見て目ん玉飛び出しそうになった。いや実際２mmぐらいは飛び出したに違いない。
にもかかわらず、発情期の犬のごとくあふれ出す物欲。
金はない。しかしどうしても買っておきたいモノがあった。
それだけ買って、後は我慢しよう。そうしよう。
社会人たるもの、身だしなみに気を遣わねばならない。
しかしまぁ、タバコを吸う人の何と多い事か。俺の周りだけなんだろうか。ヤニ臭くて敵わん。
おまけに汗臭いと来ればパーフェクト。パーフェクト超人ならぬパーフェクトおっさんだ。それだけは避けて通りたい。
そこで、香水を買う事にした。
いかにも「香水つけてます」って感じのは嫌で、さりげなく爽やかに、かつ俺に合ったものが欲しい。
そこでふみに相談したところ、ブルガリのブループールオムなるモノを勧められた。
いいんですよ初めからそんな全力出さなくても。
生まれてこのかたエイトフォーとエアーサロンパスぐらいしか使った事のない男が踏み込むにはあまりに遠い世界。
それは言うなれば禁断の果実。一口かじればそこは大人の世界。
あぁ、試してみたい・・・
いやいや、冷静に考えよう。ブルガリだけが香水じゃない。
分相応という言葉もあるじゃないか。
葛藤しながら次回に続く。
