さらば連休、そして・・・
まれに見る大型連休となった今回のゴールデンウィーク。
しかし連休突入と同時にかかった風邪のせいで、俺にとってはあまりゴールデンなウィークではなかった。
それでもドライブに行ったり、飲み会をしたりとそれなりに遊びもした。
そして先日の背脂飲み会。
楽しかった時間の後に、ある悲劇が待っていた。
話は2次会解散後に遡る。
あの後、俺とのりちゃんはノブ宅に向かい、しっぽりと3次会を開催した。
宅飲みの場合、話がプライベートな方向に進む傾向が見られる。
この日も例外なく、主にノブの執拗な攻めと自爆ネタでなかなかの盛り上がりを見せていた。
その一方で、俺は独り闘っていた。睡魔と。
連日のバイトで生活リズムが変化していた。なにしろ普段ならとっくに寝ている時間だ。
しかし自ら3次会を企画しておきながら寝る訳にはいかない。
何よりここで俺が寝てしまったら残された可愛い子羊が飢えた狼の餌食になってしまう。
とりあえず目の前の酒を飲みながら時を過ごす。
夜も更けて、バイトの時間が近づいてきた。
このままでは勤務中に二日酔い症状が出ると感じた俺は、トイレで吐く事にした。
おもむろにトイレへ行き、喉の奥に指を突っ込んで何度かえづく。
さぁ吐くぞと腹に力を入れた瞬間
ジャケットの胸ポケットから何かが落下。
次の瞬間目の当たりにしたのは
ゲロ(汚いので以下Gと表記)とともに便器に特攻していく携帯電話の姿。
ヤバい!
ほとんど反射的に手を伸ばした。
が、俺の反射神経をもってしても地球の重力には敵わなかった。
無残にもGの混入した便器へと沈む我がデザイン携帯。
もはや時間との勝負。迷う事無く素手でつかみ出す。その間およそ0.5秒。
この速さなら助かるかもしれない。
ところがこの時、俺は冷静さを欠いていた。
取り乱した俺は、自分の口を拭うことも忘れ、Gにまみれた携帯を水で洗った。
そして、Gが落ちたところでようやく気づいた。
水洗いはまずかったんじゃないかと。
しかし「Gよりは水の方がマシだろう」という意味のわからない自信を胸に、水気を取って電源を入れた。
つかない。
まずい!本気でまずい!
どうするどうする・・・そうだ冷蔵庫だ!
最近同様の被害に遭った友人に聞いた、ショップ店員直伝の裏技。
まさか自分が試すことになろうとは。
居間で嘲笑する2人を尻目に、ワラにもすがる思いで冷蔵庫に入れた。
数十分後。
よく冷えた携帯電話を取り出し、祈りを込めて電源を入れた。
チャララララ〜ン♪
キ、キタ――――(゜∀゜)――――!!!!起動画面が!
奇跡だ!奇跡が起きた!
アドレス帳は?・・・消えてない!
メールは?データフォルダは?・・・うぉぉ全部残ってる!!
さすがtalby、並のデザイン携帯とはワケが違う。
よくやった。よくやったぞ。
バイトが終わったらすぐ病院(auショップ)に連れて行ってやるからな。
もう少しだけ頑張ってくれよ。
バイト終了後、彼はすでに息絶えていた。
冷蔵庫も効かない。冷凍庫も試したがやはり効かない。
しかたなく病院auショップへ持って行った。
「今朝の時点では生きてたんです、何とかして下さい」
「残念ですが・・・もう手遅れですね」
携帯電話についての会話らしからぬやりとりの末、修理することに。
修理代6,000円。機種変に比べればダメージは浅いが、痛いことに変わりはない。